今日も旅天気
 
アジア大好き。共産党は大嫌い。
 



2010年8月1日を表示

危機一髪

 その時のことは今も鮮明に覚えている。人間の記憶とはどうなっているのでしょうね。使い古された表現ながら昨日の様に覚えています。それを思い出すたびに体が震え、喉が渇いてくる。あの危険な瞬間を乗り切ったのは全くの幸運だった。
 一九九六年の夏、私たち夫婦はメコン川に沿って自転車を走らせていた。メコンといっても中国内、雲南省を流れるメコン川、上流では僻地を流れる。チベット族やリス族等の多い地域だ。道はもちろん未舗装。大きな町(そのあたりでは)は町中だけ舗装している。車が来たら土ほこりで悲惨だが、当時は擦れ違う車も少なく、楽しい、しかし色々と少し辛い旅だった。
 田舎なのに食材に乏しく、でもなぜか肉は必ずあり、逆に野菜がほとんど無い。その中で青唐辛子は必ずあるので「青椒肉絲」は毎日食べた。雲南や四川の青椒肉絲はピーマンではなく青唐辛子を入れること普通だ。慣れたらおいしく、ピーマンでは物足りなくなる。ただ最近、四川でも都会ではピーマンを入れることも増えたので、必ず確認してね。
 中国では都会の飯店には数十種類の野菜があるのに、ここあたりは多くて3種類くらい。その野菜を炒めてもらう。たいていは白菜か、茄子。ある日のメニュー、青椒肉絲、麻婆茄子、白菜炒め。次の日、青椒肉絲、麻婆豆腐、キャベツ炒め。また次の日、青椒肉絲、茄子炒め、麻婆豆腐。青野菜が食べたかった。
 その日はメコンに沿った道をのんびりと走っていた。道はわずかな登りと降りを繰り返し、雨季でもありメコンは大河にふさわしい威容を誇り、その周りに点在する田畑、古い家屋、鮮やかな緑などが彩りを添えていた。かなり長いゆるやかな登りののち、一休みしようとうしろを走っているの女房を待っている、と一人の男が近づき何やら話しかけてきた。わからない、その時は中国語を習い始めて1年以上経っていたので、日常会話ならかなり聞き取れるようになっていたのだが。訛りがひどい。しかも彼は話し終えると、こちらが「再説一遍(もう一度言って)」と聞き返すまもなくきびすを返した。一体全体何だったのだろう、女房と顔を見合わせた。道はなだらかな下りになっている。ゆっくりと降りはじめた。その時我々の前を全力で走っている男がいる。中国人があんなに一所懸命に走るのを見たことがない、普通は考えられない。何かある。虫の知らせか、ふと左を向いてみると崖の中から煙が噴出している。同時に火薬の匂いもする。
「あ、発破をかけているな」
 うしろを振り向いて力一杯の大声で怒鳴った。
「走れ、全速力で走れ」
 同時に私も力いっぱいペダルを踏む。踏みながら後ろを振り返ると幸いなことに意思が通じたようで女房がすぐうしろを追走している。20メートルほど降ってほっとした瞬間、そしてちょうど私が再び振り向いた時、ポンという大きな音と共にに崖が破裂した。映画のような派手な音ではない。が映画のように人間の頭かそれより大きな石が十数メーターにわたって飛び散っているのを見てしまった。まるで映画「スタントマン」の一シーンのようだ。
 もし気づかずに坂道をのんびりと降っていたらどうなっていただろう。よくて重傷だ。中国の辺境だ、まともな医療機関もない。
 幸いなことに女房は爆発の瞬間を見ていない。オレはしばらくは悪夢にうなされた。女房はそんな夢を見ることがないようだ。まあ、よかったのだろう。




2010年8月1日(日)18:03 | トラックバック(0) | コメント(0) | 自転車 | 管理

リップサービス

 中国で生活していたのはもう10年近く前のことだから変化の激しい今の中国にはあてはまらないかもしれない。しかし人間の生活習慣はそう簡単に変わるものではない、かとも思う。
 私たち夫婦が生活したのは中国の南、雲南省の昆明である。ブログ名でわかるわな。
 南に位置するが標高が1900メートルくらいあるので気候は温暖、空気は乾燥して過ごしやすいところである。昆明は別名「春城」と呼ばれている。一年じゅう春のようだから。といっても1月や2月はとても寒い。北京に比べたら暖かいだろうけどね。でも室内は暖房されている北京より寒いだろうね。
 昆明は氷点下にこそほとんど成らないが、たまに雪が降る。雪は3年に一度くらい振り、10年に一度くらい積もるらしい。冬の時期に行く人はくれぐれも寒さ対策の服装を忘れないようにね。まあ現地で買えるけど。
 その少ない降雪に遇えば幸運だ。地元の人は言う。「昆明は500年に一度しか雪が降りません。あなたはとても幸運です」もちろんリップサービスです。
 この昆明、東北地方や北京出身者が以外に多い。気持ちはよくわかる。中国の北部は寒いからなあ。



2010年8月1日(日)02:26 | トラックバック(0) | コメント(0) | 極東アジア | 管理

中国人は誰も信用しない

中国での生活の基本は前払いだ。新聞や牛乳の月ぎめ契約も勿論先にお金を払う。ちなみにオレ達夫婦が留学していた当時の昆明では月ぎめでも部屋までの配達は無く、指定された場所に決まった時間に取りに行くのである。今はどうだろうか。
 中国人は後払いでは払わない。かつていま日本のリース会社がこぞって中国に進出したが、今は全部撤退した。中国人は借りてながらお金を払わない。機械を引き取りに行くと妨害したり、ひどい時にはすでに売り払っていたり。公安に届けても彼らは地元企業の味方だから、何もしてくれない。



2010年8月1日(日)02:21 | トラックバック(0) | コメント(0) | 極東アジア | 管理


(1/1ページ)