今日も旅天気
 
アジア大好き。共産党は大嫌い。
 



熊に会った話

昔、オレはクライマーだった。高い所が怖い、ダイエットのできないへたれクライマーだが。そんなオレだが妙に行動力だけはあったようで、突然、当時クライマーの聖地であるヨセミテに行くことになった。まあ現地でもへたれで岩を登るよりビールを飲んでいる方がいいや、と日々ビール腹を育てていた。
ある日、ビールが無くなったので夜9時まで開いてるスーパーでビールを仕入れ、しかしテント場に着くまで待ちきれずにビール(ミラーが好きだった)を飲みながら歩いていると直径が2メートルもある北米松(正式な名前は知らない。杉や檜のように真っ直ぐな松で、松葉がなぜか三又)に真っ黒な動物がぶら下がっている。高さは3メートルくらい。
おお、あれは何だ、と近づくとどうやら熊のようだ。ヨセミテでは灰色熊(グリズリー)は絶滅しているので、黒熊のようだ。日本のツキノワグマに近い種類。でも体重は100キロ位ある猛獣なので襲われたら人間なんてひとたまりもない。
しかし、酔っている人間は怖さを知らない。すぐ近くで熊を見続けていると、「何をしてる」と聞いてくる白人さん達(そのキャンプはほぼ95%は白人だった、そしてほぼ100%命知らずのクライマーだ)、指さすと、皆一瞬ぎょっとした顔をするのだが、強がって「ああ、熊か」と近寄っていく。そんなこんなで50人近い人が集まってわいわいとなった。
熊も災難だ。さすがにびびったようで木のもっと高い所に登ろうと動き出した。たぶん焦ったのだろう、滑って木の根元に落ちてきた。ドスンとね。
周りに集まっていた自称命知らずのクライマー達は蜘蛛の子を散らすように逃げまとった。
熊もパニックになり、大きな音を立てながらもう一度ツリークライミング。今回は成功してかなり高い枝にぶら下がることができた。
それを確認した命知らず達は苦笑いをしながら、言い訳をしながらまた根元に集まってきた。きっと「クライミングで死ぬのは本望だが、熊に襲われて死ぬのはかんべん」とでも言っているのだろう。
その後、レインジャーのけっこう可愛い女性が来て、我々を追い払いまいした。

U.S.A.ナショナルパークハイキング案内




2010年7月22日(木)01:45 | トラックバック(0) | コメント(0) | レジャー・旅行 | 管理

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