今日も旅天気
 
アジア大好き。共産党は大嫌い。
 



メコンを旅する

 メコン川をタイから中国にさかのぼったことがある。
 メコンはチベット、中国から、ビルマ国境、ラオス、カンボジアを経てベトナムから太平洋に流れ込む大河。10年ほど前、中国に留学していたとき、「メコンを自由に行き来できたらいいなあ」と他の留学生達と話していた。それが可能になったのは2004年だった。留学時は可能になるとは思わなかった。
 さてその旅は、貨物船の空いた部屋を利用するので、豪華船の旅というわけにはいかないが、船室は質素であるがまあ清潔。食事は船員と一緒にとる。これは当りはずれがあるだろう。量は十分だ。私達は行きの船は見習いの船員が作ったので塩辛くて脂っこい食事だった。帰りの船は専用のコックさんが乗っていたのでとてもおいしかった。
 船員達は中国語以外話せなく、訛りもあるので意思の疎通が難しい。だからあちらからも必要以上に話しかけてこない。そしてどこの国でもの肉体労動者は同じ。つまりぶっきらぼうだが親切であることだ。トイレで電気のスイッチの場所がわからなくて困っていたらにこにこしながら近づいてきて、黙ってスイッチを点けてくれる。朝寝坊した我々のためにわざわざラーメンを作ってくれた。もちろん彼らの朝食ははるか以前に終わっていた。
 シャワーは一応あるのだが、メコン川と同じ色をしている。うーん、止めておこう。
 雨季のメコンは水量がすさまじい。船はなかなか遡上できない。下る時はは昼前に出て明るいうちに停泊、翌日朝は明るくなってから出発し、昼過ぎにタイに着く。上りは2泊かかる。夜遅く12時頃まで走り、朝は明るくなる前から出発する。停泊するのはどこかわからない場所。強盗に襲われそうな所。というか強盗に襲われ身ぐるみ剥がされ殺されて死体を処理されたら永遠に行方不明だろう。もちろんそんなことはない。でも一人で乗ったら心細いだろうなあ。
 雨季のメコンは雲が低く、船室の電気を消せば本当に何も見えない。話によると6月は蛍が見ることができるらしい。
 時間はかかるが、上りは面白い。船は4発の大型のサーチライトで上流を照らしながら真っ暗なメコン川をさかのぼる。まわりはジャングル。時々ラオスやビルマの草葺屋根の集落がサーチライトの光に照らさし出される。濁流の音とそれに負けないエンジンの唸り声、まるで「地獄の黙示録」の世界だ。ちょっと古いけど。




2010年8月2日(月)16:34 | トラックバック(1) | コメント(0) | レジャー・旅行 | 管理

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