カイラスへ5 |
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| ベッドで横になったがなかなか寝ることができない。足が痺れて筋肉が痛む。指で軽くマッサージしてみる。気休めにしかならない、筋肉は固まったままだ。こんなことで明日は大丈夫かな、と思っているうちに寝てしまったようだ。疲れているので酷いイビキだっただろうなあ。ごめん、ごめん。 翌日、足の疲れは残っていたが、思ったほどではない。それより激しいガスでカイラスの北面見ることができないのが残念だ。六年前に見た時は声も出ないほどに感激した。 朝一番からコルラ最大の難所、ドルマ・ラへの登りが始まった。ゆっくりと歩き始めたが、ガスで道がわからない。回りはミルクのように真っ白だ。前回来た時は天気も良く問題なく道が見えた。しかし今日はよくわからない。 戸惑っているとポーターのおじさんが我々をリードしてくれる。ありがたい。彼が居なかったら、登るのにもっと時間がかかっただろうと思う。 登り始めて一時間、何回目かの休憩をとった時、同じ場所に休んでいたインド人巡礼者夫婦の女性が尋ねてきた。 「あとどのくらいかかるのだろうか。一時間位か」 「二時間くらいですよ」 私の女房が答えると、インド人女性はああ、と天をあおいだ。 でもこの登り、普通に歩いて四時間位かかる。彼らのペースだと五時間くらい、つまりあと四時間位かかってしまうだろう。女房に聞くと、 「四時間位かかるなんて言える訳ないでしょう」 ごもっとも。 この苦しい登り、最後に絶望的な急な登りがある。天気が良ければ予め覚悟ができるのだが、その日はガスのため絶望が寸前まで見えない、そしてそれが眺めた時、ほとんどの人が小さな悲鳴をもらし、ため息をつく。 「ドウシテモコレヲノボラナイトイケナイノデスカ」
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2007年1月2日(火)01:22 | トラックバック(0) | コメント(0) | レジャー・旅行 | 管理
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